大学教員,科学と教育と音楽について語る

大学教員(気象予報士)でありギター弾きのワタシが,天気に科学に教育に音楽に,日々思う雑感を語ります。

試験攻略のため過去問は大事

 2015年に気象予報士試験の資格を取得しました。まあ,時間もお金もそこそこかかったのですが。大学教員ということで,試験を出題する方の立場だったわけですが,久々に試験を受ける立場となって日々勉強しておりました。気象予報士試験合格に向けた勉強の中で新たに得たことがたくさんあったのですが,中でも過去問をしっかり研究することの重要性を改めて痛感しました。

 問題を出題する立場に立って考えてみてください。あなたならどんな問題を出題しようと思いますか?当然といえば当然かもしれませんが,試験科目の内容において特に重要だと思うこと,これは絶対に理解しておいてほしいということ,そういったことを問いたい,そのような問題をちゃんと解答した人を合格させたい,出題する立場からするとそのように考えると思います。

 ではその科目において重要なこととは何か。同じ科目でも重要と思うところは出題者によって違うかもしれず,なかなか把握が難しそうです。しかし,出題者にとってその科目における重要だと思うところ,ここは絶対に理解しておいてほしいところというのはそんなにコロコロ変わるものではありません。正直私自身について言うと,毎年担当する科目の試験問題を作っていて,これだけはわかってほしいというポイントは実際にこれまでの数年間でそんなに大きく変わっていません。そしてこのコロコロかわらない出題者のねらいは過去問を多く解いていけば掴めてくるはずです。いわゆる問題の傾向というやつです。出題形式についても同じようなことが言えて,このポイントはしっかり文章で記述してほしい,とか,ここは用語をしっかり押さえておいてほしい,ということで記述式になったり穴埋め問題になったり,出題の形式も出題者のねらいに沿ったものとなります。このような出題者のねらいは過去問にしっかりと表れているはずです。

 以上のことから,私は試験の攻略に向けて過去問をなるべく多く十分に研究し,出題者のねらいや出題形式のパターンを把握することに努めることを強くおすすめします。大学の期末試験問題でしたら,先輩に頼めば自分たちが受けた時の試験の問題を提供してくれるかもしれません。ちなみに,私は受講生に試験の過去問を配布しています。先に述べたように私が意図するポイントについて過去問を研究する中でくみ取ってほしい,ポイントを絞った無駄のない試験勉強をしてほしいという願いからです。

 試験勉強に費やす時間は限られています。ある一つの試験に人生の全てをかけるわけにはいきません。その限られた時間の中で可能な限り効率的な勉強が求められます。試験のための効率的な勉強とは上記の傾向を十分踏まえたもの。過去問をしっかり研究して傾向を把握して対策をたてましょう。

 もう一つ,過去問をやりつつ実力を高めるようにすれば,さらに効率的・効果的な勉強となります。私の場合,気象予報士試験の過去問題集の中でも解説がとても詳しい参考書を利用して,過去問をやりつつ解説を熟読して既習事項を確認したり新たなことを知ったり理解したりして,実戦練習の中でさらに実力を高めることに力を入れておりました。これがかなりよかったと実感しています。過去問とそれに対する詳しい解説がセットになった参考書がどのような科目や資格試験にあるとは限られないかと思いますが,単なる過去の問題の解説だけではなく,関係する用語や概念など周辺事項までを説明してくれている参考書を選ぶようにするとよいかと思います。参考までに,私が気象予報士試験に向けた活用した過去問題集を以下に紹介しておきます。問題に対する解説が詳しいだけでなく,関係する周辺事項の知識や概念についての説明も充実しています。

 試験攻略のカギは過去問にあり,です。