大学教員,科学と教育と音楽について語る

大学教員(気象予報士)でありギター弾きのワタシが,天気に科学に教育に音楽に,日々思う雑感を語ります。

夢や願いは語れば叶う

 高校生の頃の私の夢は「博士号をもったロックンローラー」。中学生の頃から自然科学に興味を持ち,特に自然現象を数式で表すことができるところに妙に惹かれてしまい,大学では理学部に入って物理学を学びたいと思っていました。それと同時に,中学高校とバンドを組んでロックとギターに熱中する日々。これでもギターは結構上手いと言われておりました。そういうわけで「将来はプロになる!」と勝手に思い込んでました。

 高校生の時,世界のロックギタリストの生い立ちについて書かれた本を読んでいて,クイーンのギタリスト・ブライアン・メイの記事を読んで衝撃を受けます。なんとブライアン・メイは物理学の博士号を持っていた。「これや!」と思いました。自然科学もロックも両方極める。そういうわけで「博士号をもったロックンローラー」をめざすことになったわけです。

 まあ,しかし,世の中そんなに甘くはなく,もちのろんでギターのプロなんかにはなれず。ただ色々な方々と縁があってロックのみならずジャズやフュージョンのバンドを組んだりデュオをやったりして,今に至るまで音楽活動ができています。

 大学では一応物理学を学ぶことができる学科に入学したものの,地球科学との運命的な出会いがあり,中でも気象学に興味を持ち,そのまま大学院の修士課程から博士課程へ進みました。そして気象学の研究で博士号を取得しました。

 ん?気づけば,ロックンローラーとはちょっとちがうけど,今でもバンドでディストーション鳴らしてロックっぽいこともやったりして,一方で大学教員として科学の研究と教育をしている。今の大学で職を得ることができたのは博士号を取得していたからということもある。「博士号をもったロックンローラー」,ちょっと形は違うけど,結構叶っているやんと思うわけです。

 思えば10代の時にバンド活動を始めるキッカケとなったのは,友達にギターをやっていることを話して,それを聞いたドラムの○○君がバンドに誘ってくれたこと。今の今まで色々な形で音楽活動ができてるのも,様々な場面で「~みたいなことやりたいと思ってるんです」って軽く話をしたことがキッカケとなり,イベントやセッションにお誘いいただいたりして,そういう機会をもらって色々な方々と知り合うことができたから。

 「こうしたい」「こうなりたい」,夢や願いを誰かにふっと語ると,それが広がってふとしたキッカケで物事が進みだして,思っていた形とちょっと違うこともあるけど,夢や願いが実現してしまっている。逆に言えば,夢や願いは一切語らなければ誰にも知られることなくそのままお蔵入りなってしまうことも大いにあるのだろう。

 「学生をバングラデシュに連れていく」「ボーカルでライブをしたい」誰かにふと語ったところから話が展開していき,その中で色々な人の助けもあって実現してきました。

 夢や願いは語れば叶う,と思います。