大学教員,科学と教育と音楽について語る

大学教員(気象予報士)でありギター弾きのワタシが,天気に科学に教育に音楽に,日々思う雑感を語ります。

バングラデシュで感じた日本との違い~その1(ストレートな表現)

 私,気象の研究者ですが,日本の気象ではなくバングラデシュをフィールドに研究を行っています。バングラデシュで何を研究しているのか,また改めて別のブログで記事を書きたいと思いますが,ここではざっくりと説明をしておきましょう。

 あまり知られていないのですが,実はバングラデシュは世界的に「竜巻」の発生が多い国なんです。このことを初めて知ったのは大学院修士課程に入学した直後。しかもあまり研究がなされていない。ひろーいインド亜大陸の中でバングラデシュという限られた領域に竜巻が集中的に発生する,「なんでやねん?」という大きな疑問を持ったのがバングラデシュでの研究の始まりです。

 

 なぜバングラデシュで竜巻の発生が集中するのか?

 バングラデシュで竜巻が発生する時としない時の気象条件の違いとは何か?

 

そのようなことを主に研究しています。

 初めてバングラデシュを訪問したのは2002年7月。実はその時,海外旅行が人生初めてであり,飛行機に乗るのも初めてという初めてづくしでした。バングラデシュへは直行便でなく,バンコクで一泊してバングラデシュへ行くというフライでした。初めて飛行機に乗り込む関空で既にキンチョー状態でしたが,初めて足を踏み入れる海外となったタイのバンコクではさらにキンチョー,そして翌日のバングラデシュの首都ダッカへ到着した際にはキンチョーを超越して衝撃につぐ衝撃を受けてしまいました。正直,「えらいとこにきてもうた~」と思ってしまった。その衝撃たるやとても一言で言えず。その時受けた衝撃も含め,その後何度もバングラデシュ渡航して感じてきた日本との違い,そういったことを書き留めておこうと思ったのがこの記事を書く動機なわけです。今後も思いつくままに書いていきたいと思うので,今回は「その1」と付けさせていただきました。

 今回書いてみたいと思ったことは,いわゆる「謙遜」というものに関係することかと。ちょっと一歩引いて相手を立てるというような。日本では,「愚息」という言葉があるように,自分の子供のことをストレートに「うちの子はとっても優秀だ!」というふうに言うことはあまりないかと思います。例えば「息子が東大に合格した」という場合でも,ちょっと一歩引いたように「いやあ,模試ではずっとE判定で,合格するとは全然思ってなくて。まあ,試験の問題がたまたま相性がよかったのか,運良く合格させてもらいました」といった感じで言うことが多いのではないでしょうか。

 一方バングラデシュの人たちは,「~大学に合格した」「~試験に合格した」「~試験で高得点を取った」ということを割と「うちの子スゴイ!頑張った!」という感じでフェイスブックで投稿したり,直接話をしていても「ウチの子は~大学で~を学びすごいよくやっている」というような感じです(あくまで私の個人的受け取り方ではありますが)。

 ただ,そういう投稿や話を聞いても全然嫌な感じはしません。そもそも悪い意味での自慢や自己顕示のような気持ちもないと思います。単純に純粋に自分の身内を誇りに思う,そのストレートな思いを表現しているだけだと思います。なので,こっちも純粋に「すごいな,頑張ってはるなあ」と感じます。バングラデシュの人たちと接していると裏の気持ちを感じることは日本ほどはなく,割とストレートに思いを言ってくるように感じます。もちろん,バングラデシュの人々にも本年と建前はあると思いますが,日本ほどではないように感じますね。私にとってはそのようなコミュニケーションの方が割と合っているみたいで,バングラデシュにいる時の方が人間関係がちょっと楽に感じます。なので,日本にいる時よりもバングラデシュにいる時の方が気持ちが楽です。日本はしんどい・・・。

 なんでもかんでもストレートに表現すればよいとは思いませんが,心からの正直な思いや考えを直球で伝えることも大切,バングラデシュの人々と接するとそのように改めて思うわけです。