大学教員,科学と教育と音楽について語る

大学教員(気象予報士)でありギター弾きのワタシが,天気に科学に教育に音楽に,日々思う雑感を語ります。

教員って夏休みはずっと休み?

 私,もう10年ほど大学教員をやっておりますが,よく受ける質問の一つに「夏休み中は講義がないし,ずーっと休みなんですか」というものです。これは大学の教員だけでなく,小学校や中学校,高校の教員の方々もよく聞かれるのではないでしょうか。

 ズバリ言いますと,「そんなわけないやん!」ということです。夏休み中は夏休み中でやることが結構あります。冬休み,春休みも同じです。

 大学教員について言いますと(大学教員といっても,大学によって細かいところの状況は色々違うと思いますので,あくまで私の場合です),まず前期の試験(7月末から8月始め)が終わりますとその試験の採点という「大仕事」があります。試験が終わると学生は夏休みに入り「ハッピー!」になるわけですが,教員は一年でも指折りの「アンハッピー!」な日々の始まりです。

 特に受講者が多く答案の枚数が多い科目の採点となると,正直ゲンナリとなります・・・。とはいっても,もちろん一枚一枚しっかり採点するので,本当に疲れます。その中でも,数は少ないですが,大変悩ましい解答というのがいつも出現します。どう採点すればよいのか,文句なく満点ではなく,かといって0点でもない。ではどのように配点すればいいのか,自分で決めた採点基準を何度も読み返して色々な配点の解釈を試みて,そうこうしていると,稀ではありますが,一人の学生の一つの問題に対する解答の配点に1時間近く悩むこともあります。記述式の解答だと配点が悩ましいケースが割と多く出てきます。

 あと悩ましいのは,試験の点数が悪く,微妙に単位取得の合格点に足りない場合。全く合格点に足りない場合は悩む必要はないのですが,あともうちょいという場合,提出物をあと一つでもちゃんと提出しておいてくれたら合格点に達していたのに,ということが時折あって,こちらとしても泣く泣く不合格にせざるをえないということがあります。なので,受講生には「提出物は必ずもれなく提出!」と何度も言っています(それでも提出しない学生が必ずいる)。

 このような大変悩ましい試験とレポートの採点という作業がまず夏休みの大仕事としてあるわけです。全科目の成績評価を終え,それを最終的にパソコンで登録して終了です。

 それから私の場合,夏休み期間中に研究調査フィールドである海外へ出張します。夏休み中ですと講義がないので,1週間から10日間といったまとまった期間に海外出張できます。講義期間中に海外出張となると,講義を休講しないといけませんから。ほぼ毎年,夏休みと春休みは海外の研究フィールドへ渡航しています。

 海外渡航から帰ってくると,次の学期に向けた準備が色々あります。学期開始時に開催されるガイダンスの準備や講義の準備などなど。

 このような感じで,結局夏休み中の休みとなると,おそらく会社勤めの方々と同様に盆休みの時ぐらいかと思います。

 学生さんが夏休みを満喫している時も色々やらせてもらっております!