大学教員,科学と教育と音楽について語る

大学教員(気象予報士)でありギター弾きのワタシが,天気に科学に教育に音楽に,日々思う雑感を語ります。

実は雲は身近にあるという話

 空に浮かぶ雲なんて触ったことないよ,でも一度は触ってみたいなあと思っている方,結構おられるのではないでしょうか。実はあなた,既に雲触ってますよ,という話なんです。

 ちょっとここで考えていただきたいのですが,身近に雲みたいなものってありませんか?どうでしょうか。例えばお風呂場の湯気。それからやかんから出る湯気。そう,実はこれら雲といってもいいんです。基本的に空に浮かぶ雲と同じもの。冬のお風呂場が湯気でもやもやになることありますよね。あれはもはや雲の中にいて,まさに雲に触れているという話です。

 お風呂のお湯からは目には見えない気体の状態の水蒸気がどんどん蒸発しています。蒸発した気体の水蒸気が温度の低いお風呂場の空気の中で冷やされて液体の状態の水滴になり,この水滴が空気中に浮いているわけで、これは「雲」です。気体や液体の状態についてのより詳しい説明は,過去の私のブログ記事をどうぞ。

yyamane.hatenablog.com

 やかんから出る湯気は,やかんの中の熱い湯からさかんに水蒸気が蒸発し,その蒸発した水蒸気がやかんの外の空気中で冷やされて液体の水滴となって目に見えているものです。これもやはり「雲」といっていいでしょう。

 霧は地上付近にできた雲で,霧の中を歩いたことがある方もいるかと思いますが,この時も雲に触れているわけです。

 違った観点からものを見たり理解するとなんだか新鮮ですよね。いかがでしょうか,雲に対する印象も今まで違って面白く思えてきませんか。明日からは空に浮かぶ雲が今までとは違って見えてくるかも。